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http://mainichi.jp/select/world/news/20080824ddm007030062000c.html
(毎日)

「ブッシュ大統領は私たち貧困者向け予算を巻き上げてイラク戦争につぎ込んでいる」。ロッキー山脈のふもとモンタナ州へレナに住む画家、シェリー・スコフィールドさん(53)はブッシュ政権への怒りをぶちまけた。保守的な同州は白人が9割を占める。

 夫(53)は米軍の放射線科医だったが、軍批判があだとなり、辛酸をなめた末に退役。C型肝炎を患い、月900ドルに達した医療保険料を払いきれずに解約した。子供2人を大学に行かせるのに精いっぱいで、夫婦とも保険に入ることができないほど生活は苦しい。

 「戦争以来、ガソリンも食料も上がり、国民は貧しくなった」。中絶反対と減税政策に共鳴して共和党を支持してきたスコフィールドさんだが、民主党のオバマ上院議員への投票を決意した。イラク戦争に反対するなどしたオバマ氏は「思慮深く、(古代イスラエル王国を繁栄させた)ソロモン王のような知恵者に見える」という。

 「反ブッシュ」の風を背にオバマ氏は共和党地盤を含むすべての州で選挙運動すると公言。7月4日の独立記念日をモンタナ州で過ごした。大統領選では共和党の牙城だが、民主党保守の力が増し、知事と2人の上院議員はともに民主党。今回は異例の大接戦だ。

 だが「プア・ホワイト」と呼ばれる白人低所得者層の不満は民主党にも広がる。「小さな町ではマケインのような戦争も知っている苦労人に人気がある。オバマは白人労働者の票を取れるのか」。ペンシルベニア州ベツレヘムの自営業、エイドリアン・リーさん(54)は、共和党のマケイン上院議員の強みをこう評する。

 同州は産業の衰退で多数の失業者を生んだ90年代の影が残る。民主党支持の白人労働者が多いが、「変革」を唱えるオバマ氏のことばは響かない。ワシントン・ポスト紙の調査では、白人労働者の支持率はオバマ氏47%に対しマケイン氏は37%。一方、2割近くは失業対策や医療保険の改善策について両氏に懐疑的な見方を示す。

 保守地盤での「脱共和」と民主党白人層の「オバマ懐疑論」には、経済の失速に直撃されたプア・ホワイトの複雑な思いが交錯している。

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